4月27日

 芝居をやる上でチームワークは欠かせない。良好なチームワークを保つにはお互いが信頼しあうことが重要である。その訓練の一環として次の二つのゲームをした。
 まずひとつは「その話、うそ?ほんと?」ゲーム!
 起床してから稽古場に来るまでの出来事をみんなの前で話す。話し手は、話の中に「嘘を3つ」入れて話をする。聞き手は、話された内容のどこに嘘が混じっていたかを当てるゲームだ。話し手の口調や態度から、これは信じられるなとか、また反対に嘘っぽいなということがなんとなく推察できて興味深かった。
 もうひとつは「相手を信じて倒れよう」ゲーム!
 ひとりが、起立した姿勢から目をつぶって後方に倒れる。他の者はその者が床に崩れ落ちてしまう前に、背面をしっかり支えるようにするゲームだ。自分が倒れても必ず仲間が支えてくれると信じないと恐る恐る倒れることになり、傍で見ていても信じていないことが手に取るように分かった。
 最後に、エチュードをひとつ。
 いわゆる「最後の一葉」を演ずることにした。出演者は2名。夫婦または兄弟という間柄。そのうちひとりは入院中で、他方が見舞いにやってきたという設定。さらに、入院中の病室から見える木の枝には今にも散りそうな葉っぱが一枚だけある。入院中の者は、その葉を見ながら「私は、あの葉が散ったら死ぬんだろうな。」とつぶやく。見舞いに来た者はどう対応するのか。好物のニラレバで励ましたり、新しいパジャマに着替えさせたがったり、家業の跡取り話になったりと様々なアイデアのもと話が展開されて、とても面白かった。(矢野)

*写真は「最後の一葉」を演じているところ。左が矢野、右がTAIRA。今春のワークショップはこの回で終了。5月から第8回公演に向けた稽古に入る。→第8回公演『タライの中の水』稽古日誌 (江平@管理人)

4月6日

  前回のタオルパスにも通じる今回のワークショップ!
 必要なのは反射神経だけではありません。役者には、舞台で演じている時に常に周りの状況を把握しながらそれに対応していく柔軟さも必要なのです!ということで、今回は「意識の分散」が主なテーマの、ゲーム形式の楽しいワークショップでした。

 まずは二人一組になっての「鏡」のバリエーション。
 「鏡」とは、「本体」と「鏡」の役割に分かれて向き合い「鏡」役は「本体」の真似をするという一見単純そうに思える稽古ですが、この「鏡」役に、「本体」の真似
をしながら同時に外部からの質問に答えたり計算をさせたりする、という稽古をやりました。このときは私は主に見学していたのですが、「鏡」が「本体」の動きの予測をしながら動きの速度なども考えてシンクロしたとき、とても「鏡」らしく見えました。「本体」の動きのパターンが人によって癖があるので、「鏡」役に読まれないようにパターンを変えたりしたときに生まれるズレもおもしろかったです。そういえば昔、卓球しりとり(球を打ち合いながらしり取りを続けていく)で燃えたことがあって、あれも実は芝居の役に立っていたのか?と見学しながら昔を懐かしく思い出した私でした。(結構楽しいので皆さんも卓球をするときにはぜひおすすめですよ!)

 次は、相手と膝がつく距離で向かい合って座り、出されたテーマについて同時に話し出し、自分が話しながら相手の話も聞き、自分の話が途切れて相手の話を聞いてしまったら負け、という外国の教材を使用してのゲーム形式の稽古をやりました。私の場合は、「しゃべり続けなければ!」と思うあまり話す速度は速くなり、また声が高くなってしまって見ている人にとっては話の内容が分かりづらかったという指摘を受けてしまいました。速度はゆっくりと、また声を少し低めに出してみたら話の内容が伝わりやすかったと言われて、相手が聞き取りやすいように話す意識も必要なのだ、ということがとても勉強になりました。
 また、話す内容を考える「意識」とそれを言葉として発する「意識」、相手の話を聞いて理解しようとする「意識」を同時に持つことはとても難しく、話を聞こうとするとどうしても自分の言葉が止まってしまい、自分にとってはとても難しい稽古でした。
 
 日常生活の中で「意識」のベクトルを二つ以上の方向に「分散」させて何かをやるいうことは考えてみるといくつかあると思うのですが、今回のこのワークショップで、それを改めて意識的にやるということは意外と難しいのだな、と思いました。そして、「鏡」で翌日少し筋肉痛になったと思われる私は、いろいろなベクトルに対応するためには筋肉も必要!と改めて感じたのでありました。(榎本)

*写真は「鏡」をやっているところ。奥の組は左がTAIRA、右が上野(いたち隊)、手前の組は左が沢田、右が榎本(いたち隊)。(江平@管理人)

3月2日

 どこの劇団でもワークショップといえばゲームなのだろうが、今回はキャラメル○ックスでも定番とされているらしい、タオルパスと牛タンゲームでひと汗流した。
 タオルパスとは読んでそのまま、丸めたタオルを
円形に立った役者が隣の役者にパスするという、
単純といえば一見単純そうなゲームなのだが、
自分が投げると同時に隣から飛んでくるタオルをキャッチしなくてはならない。
相手がとりやすい一定の位置に投げ続ける、安定したコントロールと、どこに投げられてもキャッチできる反射神経が要求される。
自分のタオルが一周してきたらリバース、所謂逆回転である。
ちょろいもんだと慣れてきたところでクロス、世にいう交差である。
自分の右隣の右隣の役者に投げ、左隣の左隣の役者から飛んでくる。
(だから6人以上が望ましい)
タオルが空中で当たってしまうことが多く、なかなか続かない。
終いにゃみんなムキになってしまい、かなり楽しめた。
 牛タンゲームについてこの場で説明するのもどうかと思うのだが
しかしながら私は牛タンゲームをやったことがなく、
山手線ゲームも王様ゲームもやったことがない。そういう場にいたことがないのだ。
あるのはせいぜい人生ゲームか魚雷戦ゲームか、野球盤(AM型)くらいなもんである。
そういえば日本特急旅行ゲームもやったことあるなあ。
いまでも売ってるんだろうか。今度デパート行ったら5Fおもちゃ売り場を探してみよう。
ハンズにあるよね、こういうのって。きっとある。
 そんなわけでタオルパスのせいで筋肉痛になってしまった。
あんなんで筋肉痛になるなんてという不覚の念と
その筋肉痛が翌日すぐにやってきた奇妙な安心感とが同居。(TAIRA)

*写真は左から、上野(いたち隊)、榎本(いたち隊)、矢野、小島、TAIRA。牛タンゲームの後に行ったエチュードの風景。ちなみにタオルパスには管理人も参加したが、筋肉痛にはならなかった。(←自慢?) (江平@管理人)

2003年2月2日

今年最初のワークショップ。今日の題材は絵本。
まず最初に「オーソドックス」な読み方を、と言われる。
各自が「オーソドックス」だと考える読み方をする訳だが、個々に異なった特徴がでた。
絵本として意識するかしないか、誰かに聞かせるのか、また誰に聞かせるのか等、
それぞれが異なる条件であるため、聞く側の印象も変わるようだ。
次に色々な方法でのエチュードを試したあと、最後には「上手に」読んで下さいとの注文が。
子供に聞かせるように読んだり、舞台上で読むような感じで読んだりと、
(僕のは機械に向かって録音する感じと言われてしまった。とほほ・・・。)
各役者の演技の基本形を反映する形となった。
何故そういう演技になるのかという話から、演技にも様々なものがあるという話に。
「素の自分」で演技できるのかと言われ、考えてみると今の自分には難しい事だと感じた。
なにかしら「役」を演じている時には、「自分という役」の演技に上塗りをしてしまう。
(自分ではそう感じている)
それが「素の自分」の演技を殺してるのではないかという事。
反技術的ともとれるが、そう見せる事も技術の一つかも。
実践できるようになってからその答えは出したいと思った。
今回はそこまででお終い。

なお今日のワークショップを最後に(←今年はまだ始まったばかりなのに!?と管理人突っ込み)
私、松澤は今年あたふたの活動をお休み。
本業である学業に力をいれるため、しばしお別れです。
でもたまに顔を出すのでお忘れなく。ではでは。(松澤)

*題材に使った絵本は『おさじさん』(文・松谷みよ子/絵・東光寺啓)。おやまをこえてのはらをこえておさじさんがやってきて、おいしいものをおくちにはこんでくれる話だ。(江平@管理人)

ここは劇団東京あたふたのOriginal Web Site「Tokyo Atafter」です。

[ABOUT US] [NEWS] [HISTORY] [MEMBERS] [GUESTS] [DIARY] [LINKS] 
[LIBRARY] [UP DATES] [GUEST BOOK]