月別アーカイブ: 2019年10月

『獏のゆりかご』稽古日誌 第9回(2019.10.20)

『獏のゆりかご』初日まで:ちょうど1ヶ月前!

ついに、「ひと月前」が現実になってしまいました。

自分が『獏のゆりかご』の稽古に参加してから4ヶ月。
毎週の稽古でうまく演技できず、
「こんどこそ・・こんどこそ・・」
と言ってきたけれど、もう、その「こんど」が残り少なくなり、
演ずる役としての姿や内面をアウトプットしなければいけない時期になってきました。

ひと月前となった今日は、2回目の通し稽古でした。
通し稽古とは、芝居のはじめから終わりまで全く止めずに行う稽古のことですが、
今回の通し稽古は、全員本番と同じ衣裳を着て臨みました。

さすがに衣裳を着ると「ある程度」それっぽく見えるので、
役者としてはテンションが上がります。
この日は、小学校のコミュニティスペースをお借りして稽古をしたのですが、
同じ日にその小学校の運動会があり、
下校する小学生3〜4人に変わった(?)衣裳をまとっている役者がとり囲まれ、
ワイワイからまれるという楽しい場面がありました。

さて稽古に話を戻すと、
今まで練習してきた、人間関係や感情の機微について、
波長や雰囲気を作り出せるかどうかがひとつの通過地点ですが、
できたところもあれば、できなかったところもあった感じでした。
少しは前進できたかなと思っています。

これから本番までの短い時間で、これを土台として、
より深く、より細かくつくり込めるよう
みんなでがんばっていきますので、よろしくお願いします!!

(高崎賢一郎)

今回の芝居で太田尾演じる岡田の元夫、越野を演じる高崎。実は2001年の第6回公演『ペコ』でも太田尾と高崎は恋人同士の二人を演じていたのですよね。その頃と変わっていないところ、変わったところ、舞台に生かしてくれたらと思います。
『ペコ』での二人は劇中で悲しい結末になってしまうのですが…。今回の二人はどのような結末を迎えるのでしょうか??ご注目ください(^_^)

(江平@管理人)

『獏のゆりかご』稽古日誌 第8回(2019.10.13)

(写真左より関谷誠、太田尾暁子、松尾真樹)

『獏のゆりかご』初日まで:あと40日

―「ひと月前」という言葉が現実感を持って迫ってきました。

1ヶ月を切るとスタッフワークも定まってきて、キャストの外堀は埋められていきます。
創造性に身を任せて自由に作り続けられる時期はあとわずか。
役者たちは、いよいよ役の内面に深く潜ろうとしています。

『獏のゆりかご』は、大人たちの小さな秘密が暴かれる、ある半日の物語。
その秘密を秘密たらしめているのは、役のもつ苦い思い出や捻じれた関係性。
しかしこれを作るためには良い思い出や良い関係性も必要。
ここを演ずるため、この日は役者同士、演出役者間でのディスカッションが繰り返され、相手役との共通認識を深めていく作業に終始。
この視点で考えるとどうか、この瞬間はどんな状態なのか。
などと思考を巡らし重ね合わせる。

思い出と関係性。そこから発生する羞恥心、自尊心、虚栄心、遠慮に不安。
これらがあるから秘密にしようとする意志が生まれる。
秘密にしようとすることで初めて秘密は成り立つ。
そういった当たり前のことを演技で成り立たせるために必要なことは多岐に渡り。
台本を足掛かりに想像を広げ深め土台とし演じてみる、また立ち返り想像しなおす。と、それを繰り返す。ひたすらに。

こういった役作りをしていると、人間の単純さ複雑さを思い知らされます。考えれば考えるほどあっけない動機が見えたり、絡み合い飛躍する機微のフローが見えたり。
そして不思議なことに、しつこく考え続けていくとハっとする瞬間が訪れる。
「そうか、これはこういうことか」
と合点がいく瞬間。ブレイクスルー。
そこに到達したときの感覚は、得も言われぬもの。
この瞬間に役と自分の思考がリンクするような。
これはすさまじい快感で、役者の醍醐味のひとつ。
と思います。

あと40日。

秘密は成立し物語を生み出すのか。
思考と快感の往復の製作は続く。

(文責 江藤役:関谷誠)

外堀を埋めているスタッフの筆頭です。小道具がだいぶ揃ってきて、舞台装置のプランも固まり、大道具製作会社との打ち合わせも進み…靄に包まれていた本番までの道筋が少しはっきり見えるようになってきたかな!?という感じですが、まだまだ油断せず着実に進めていきますよ。役者さんたちの頑張りを舞台で輝かせられるよう頑張ります!

(江平@管理人)

『獏のゆりかご』稽古日誌 第7回(2019.10.6)

(写真左より太田尾暁子、南真由香、笠原直樹、松尾真樹)

はじめまして! 南真由香と申します! 演劇経験は一切無い素人です。
初めての舞台なので、何もわからないなか精一杯頑張っております!
今週は小道具や大道具がたくさん揃い始め、雰囲気が出来上がってイメージしやすくなってきました!
今回のテーマはひとことでは表せない、大人が抱える恋、愛、仕事、夫婦、家族、人間関係、また動物園で働く人たちが触れている動物たち…。脚本が素晴らしい分、役者の表現力がより必要な作品だと思っております。
役者たちも全力で楽しみながら、お客さんも楽しませられるようにみんなで頑張っていきます!
以上、南真由香でした!

(南真由香)

今回の公演の役者・スタッフの中で最年少、しかも初舞台の南。今年の春に就職、上京したばかりですが、頑張っております。
南が歳上の役者たちから本番に向けての心構えや仕事と芝居の両立についてなどいろいろ学ぶ一方で、我々も「今の若い人ってこんな感じなんだ〜」といろいろ勉強になります。まあ「今の若い人」の典型が南だとは思いませんが…。
てなわけで、ある種の異文化交流の場となっている稽古場です。

(江平@管理人)

『獏のゆりかご』稽古日誌 第6回(2019.9.29)

(写真左より笠原直樹、松本紫、高崎賢一郎、太田尾暁子)

ご無沙汰しております。松本紫(まつもと ゆかり)です。 初めましての方は初めまして。名前と顔だけでも覚えて頂ければ幸いです。
さて、今週も稽古。土曜日は人数少な目、日曜日はオールスターと、毎回みんながいるわけでは無い。大人は色々大変だ。でも、そんな大人だから出来る脚本。大人じゃなきゃ出来なくね?な脚本。大人になっても青春はあるんだ!!大人の青春ってどんな感じなんだろうか?甘酸っぱいだけじゃない、エグミも苦さもある青春。やっぱり大人は色々大変だ。 でも、青春ってやっぱり楽しいよね。
衣裳さんとしては、大物がまだ出来上がっておらず。果たして無事に出来上がるのか甚だ分かりませんが。大人だから頑張ろう。

(松本紫)

松本は役者のほかに衣裳も担当。仕事や家事の合間の作業、お疲れさまです。私も舞台装置やら制作やらこの稽古日誌更新やらなんやら…仕事やら家事やらなんやらの合間に進めるもののなかなかスピーディには進まず気は焦りますが、一歩一歩頑張ります。この週は置き道具のテーブルやら椅子やらが決まったのでほっと一安心。進んでる!進んでるよ!

(江平@管理人)